ウォーキングの習慣は、健康維持やダイエットなど、さまざま効果が期待できると言われています。
では、より高く多くの効果を得るためには、どんなタイミングで、どのくらいの時間をかけると良いでしょうか?
実は、ウォーキングの最も効果的な時間帯は朝、時間は30分程度からが目安だと言われています。
そこで、この記事では、期待できる具体的な効果は何か?や、効果を高める方法とポイントを解説しながら、朝の30分ウォーキングをおすすめして紹介していきます。
ウォーキングの効果
単なる歩行とウォーキングの違いは何でしょうか?
ウォーキングは、目的をもって歩く運動である点が、単なる歩行との明らかな違いです。
そこで、まずは、ウォーキングにはどんな効果があり、そのうちの何を求めるのか?を明確にしておく必要があります。
そのため、まずは多様なウォーキングのメリットについて見ていきます。
ダイエット効果
筋トレなどの無酸素運動は、短時間で体に強い負荷をかける運動で、筋肉に溜めた糖質(グリコーゲン)をエネルギーに使う運動です。
主に筋肉量を増やして、代謝を上げる効果があります。
一方、ウォーキングは、有酸素運動の一種です。
有酸素運動は、継続的に体に軽い負荷をかける運動で、酸素を使って脂肪燃焼させて、カロリーを消費する運動です。
痩せるという意味では、どちらも大切な身体運動ですが、体の脂肪を燃焼するには、ウォーキングのような有酸素運動を継続して行うことが有効です。
ウォーキングは、その気軽さ手軽さ安全性から、最も習慣として取り入れやすい有酸素運動と言えます。
尚、有酸素運動で脂肪の燃焼が始まるのが運動を開始して20分ほどからと言われていて、これも30分程度歩くのが効果的だとされる理由のひとつです。
ダイエット関連で気になる消費カロリーの計算は、METs(メッツ)を使います。
METsは、運動の強度を示し、強度が高くなるほど数字が大きくなります。
一般的に軽いウォーキングの場合は3.5METs、かなり速いウォーキングなら5METsです。
METsを使った消費カロリーの計算式は・・・
“METs×体重×運動時間(h)×1.05=消費カロリー”。
たとえば、体重50㎏の人が、30分の軽いウォーキングをしたときの消費カロリーは、
3.5METs×50(㎏)×0.5(時間)×1.05=91.875
消費カロリーはおよそ92kcal(たまご1個分くらい)となります。
幸せを感じる効果
朝日をしっかりと浴びることと、軽いリズミカルな運動を行うことは、いずれも「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを分泌させます。
セロトニンは、心を落ち着かせたり、不安感等ネガティブな感情を軽減させる神経伝達物質です。
セロトニンが分泌されるのが日光を浴びてから15分ほどからだと言われていて、これが朝30分程度歩くのが効果的だとされる理由のひとつです。
睡眠の質を高める効果
朝日をしっかりと浴びて分必されたセロトニンは、その14~16時間後には睡眠ホルモンであるメラトニンに変化します。
メラトニンは自然な眠りを促してくれる効果があるため、朝のウォーキングによって、夜の質の良い睡眠に期待できます。
脳を活性化する効果
イリノイ大学によると、20分間の軽いウォーキングで、脳由来神経成長因子 (BDNF)が分泌されるという研究結果が報告されています。
BDNFは、脳細胞の繋がりや数を増やして、脳を活性化してくれる物質で、新しいことを学んだり、記憶する時に有利に働きます。
また、前述した幸せホルモンのセロトニンと併せて、認知能力・注意力・集中力を高めるドーパミンや、気を高めるノルアドレナリンも同時に分泌されることが分かりました。
自律神経を整える効果
内臓の働きや血流、呼吸など、体内の環境をコントロールしている自律神経には、体を動かしたときや緊張状態のときに活発に働く交感神経と、睡眠時やリラックスしたときに活発に働く副交感神経の2つがあります。
この2つの自律神経は、バランス良く働くことが大切ですが、ウォーキングのように一定の動作をリズミカルに行う有酸素運動には、この交感神経と副交感神経のバランスを整える働きがあり、身体を正常な状態に保つことに役立ちます。
骨の強化や筋バランスの改善
骨をつくるカルシウムはウォーキングなどによる適度な刺激で吸収が高まります。
また、外で太陽を浴びることで、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で造られます。
さらに、いいフォームでウォーキングを行うことで、筋力や関節可動域が高まり筋バランスも整います。
むくみにくくなる効果
ウォーキングは、血液やリンパ液の循環を改善し、老廃物などの水分の滞りを解消します。
ストレス発散効果
ウォーキングによってストレス発散やリフレッシュすることは、良好な心身を維持するために効果的です。
生活習慣病の予防・改善効果
ウォーキングには、血流を促進する効果や血圧や血糖値を抑える効果が期待でき、生活習慣病の改善につながると考えられています。
・高血圧の改善
ウォーキングにより、血中の血圧を下げるタウリンやプロスタグランディンEという物質が増加します。
・心肺機能の強化
ウォーキング習慣のある人ほど心血管疾患のリスクが低下することが明らかになっています。
・脂質異常症・動脈硬化の改善
ウォーキングは血中の中性脂肪を分解する酵素を活性化させるといわれています。
・肝機能の改善
ウォーキングをしている人ほど、AST(GOT)やALT(GPT)が低値であることが分かっています。
・糖尿病の改善
ウォーキングは血中のブドウ糖を利用し血糖値を下げる効果があります。
認知症発症リスクの軽減効果
運動することで、脳の血行は改善され、活性化していきます。
このため、ウォーキングの習慣を持つことで、認知症のリスクの軽減に期待できます。
効果を高める方法

続いては、始める前にぜひ知っておきたい、効果的なウォーキングのやり方について紹介します。
適切な距離・時間・頻度で”続けること”を心がける
ウォーキングで、早く効果を出そうと無理をしてしまうと、体に負荷がかかりすぎてしまうことがあります。
適度な運動は健康促進や健康維持のためになりますが、過度な運動は逆効果になってしまうことがあります。
そのため、適切な速度・距離・時間・頻度のウォーキングを心掛けましょう。
ペンシルベニア州立大学の研究では、ウォーキングが脳に影響する効果について、歩いた当日に現れるということが明らかになりました。
強度なウォーキングでなくても、毎日は続けていなくても、たった20分、朝、ウォーキングしたその日1日は、当日の被験者の気分が高まりました。
ということは、できる日だけ、その日気持ちよく過ごすために歩くとか、ちょっと冴えない時は気分転換で歩いてくるとか、そんな風に習慣に取り入れるのもアイデアかもしれません。
もちろん、この調査では、習慣化して毎日ウォーキングを続ける効果も検証されています。
習慣的にウォーキングを行っていて、更に、調査当日もウォーキングを行った被験者には、最も高い効果が認められ、続けることでメリットがより大きくなることが確認されています。
水分補給はしっかりと
歩き始める直前と歩き終わった後にはコップ1杯程度の水分補給を行い、ウォーキング中も喉の渇きを感じる前に水分補給することを心掛けます。
いい姿勢で歩く
猫背にならないように、頭が上に引っ張られているイメージでしっかりと背筋を伸ばして歩きます。
このとき、肩に力を入れず、腰が反らないようにして、やや遠くを見ながら、耳や肩、膝、くるぶしが一直線になるような姿勢を保ちます。
腹式呼吸で歩く
鼻から息を吸いこんで口から吐き出しながら、お腹が上下に動く腹式呼吸で有酸素運動の効果を高めましょう。
全身に酸素を送り込み心肺機能を高められるように、2歩かけて吸ったら4歩使って吐くなど、息を吸うよりも吐く割合を少し増やすと、しっかりと息を吐き出すことができます。
少し大股で歩く
つま先をまっすぐに振り出すことを意識して、少し大股で歩行することで、運動効果をより高めることができます。
歩く際に膝が曲がらないように意識すれば、自然と大股になります。
いい体重移動で歩行する
正しい重心移動は、かかとから着地したあと、足の外側、小指の付け根、親指の付け根、親指で地面を踏み込む、という順番です。
腕は後ろに引いて振る
腕を振った方が、動きにリズムが生まれやすくなります。
リズミカルに運動することはセロトニンの分泌を促し、腕を振ることは、背中や肩周りのダイエットにも効果的です。
肘を90度くらいに曲げたら、肩や腕の力を抜き、足の動きに合わせて腕を振りましょう。
この時、前後へまっすぐ腕を振るようにして、特に後ろに引くことを意識するのがポイントです。
まとめ

朝たった30分のウォーキングでも、体と脳と心が冴える多様で多くの効果をもたらしてくれます。
まずは、できる日から始めて、できる頻度で続けていきたいものです。
歩くペースを少しだけ上げたり、少しランニングを混ぜてメニューを変えたり、時間を1時間に延ばしてみたり、アレンジも自在で、自分の体力や目標に合わせ、運動レベルの上げ下げが簡単なのも、ウォーキングの魅力です。
1日のはじめにいいリズムを刻んで、体と脳と気分をいい調子にしてくれる、最強の習慣ではないでしょうか。



コメント