日本はかつてないスピードで高齢化が進んでおり、2025年には65歳以上の単身世帯が800万を超えると予測されています。こうした中で深刻化しているのが、身寄りのない高齢者の孤立や「孤独死」の問題です。医療、介護、住まい、そして死後の手続きまで、支える人がいないという現実に直面する人が確実に増えています。
そんな現実に対し、婚姻制度とは異なる新たな社会的仕組みとして注目されるのが、「共生契約制度(ライフパートナー制度)」です。
「共生契約制度」とは?
共生契約制度とは、血縁や婚姻に依らず、互いに支え合う意思をもった人どうしが、生活や医療、財産管理、死後事務などに関して法的に認められたパートナーとなる制度です。同性カップルや事実婚カップルだけでなく、友人同士、高齢者どうしの同居支援関係なども対象になります。
これは「婚姻の代替」ではなく、「もうひとつの共に生きるかたち」として、現代社会の多様なライフスタイルや高齢単身者の課題に応える制度です。
なぜ今、必要なのか?
医療・介護の現場で起きていること
家族がいなければ、病院での同意書にサインできる人がいない。延命措置の判断が宙に浮く。施設への入居保証人が見つからない。こうした“法的な家族の不在”が、日常的に支障をきたしています。
賃貸住宅や遺言の問題
高齢単身者は部屋を借りづらく、死後の手続き(遺体の引き取りや家財の整理など)を託す人がいないため、結果的に行政コストが増加します。共生契約制度があれば、これらの手続きを委任契約によって事前に整えておくことができます。
「婚姻制度」だけでは救えない人がいる
事実婚や別姓志向のカップル、同性パートナーなど、従来の戸籍制度では保護されない家族形態はますます増えています。「助け合いたい相手がいるのに法的には“他人”」という状態を是正する必要があります。
制度として実現するには?
現行の婚姻制度に手を入れず、別枠の「共生契約制度」を創設するアプローチは、政治的対立を避けながら実現可能な現実解です。
- 公正証書などでパートナー契約を結び、
- 医療・介護・住居・死後事務などの意思決定を可能にし、
- 可能であれば税制や保険でも部分的な優遇措置を与える。
これは「婚姻の平等」論争に左右されず、同性パートナーシップや別姓志向、老老同居など幅広い人々のニーズを同時に包摂できる仕組みになり得ます。
孤独死ゼロ社会への第一歩として
この制度が社会に根付けば、孤独死の多くは防げます。 「家族がいないから仕方ない」と社会から放置されるのではなく、 「家族じゃなくても、支え合う人がいる」という新たな関係性に制度的な根拠を与えることが、成熟社会のあり方だと私たちは考えます。
家族のかたちは、ひとつじゃない。 共に生きることに、もっと自由を。
共生契約制度という選択肢が、これからの日本に求められています。



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