普段当たり前のように毎日飲むコーヒーですが、実は、コーヒーを飲む習慣には、たくさんのありがたいメリットがありました。
まず、はじめにそれら全てのメリットを集約するような研究結果の紹介です。
90,000人以上の日本人を対象に行われた研究では、コーヒーを1日3-4杯飲んでいた人は、全く飲まない人と比べて24%も死亡リスクが低かった、という結果が報告されています。
また、1日、2-3杯飲めば死亡率がおよそ15%も低下したという海外の論文もあります。
1日数杯のコーヒーを飲めば、長生きできる。
この究極のメリットは、数々のコーヒーの効果が相乗的に働くためと考えられます。
だとすれば、数々のメリットを理解して、飲み方や飲むタイミングを考えるだけで、生活の中のさまざまな課題の解決に役立つはずです。
さて、それでは、コーヒーがどんな風に私たちに良い影響を与えてくれているのか?
ひとつひとつのメリットを見ていくことにしましょう。
コーヒーを飲むメリット

覚醒作用
まずは、よく知られているコーヒーのメリット、脳を覚醒させる働きを取り上げます。
これは、コーヒーに含まれているカフェインが中枢神経を興奮させるためで、 中枢神経の刺激によってシャキ!っとするのだと言われています。
また、一般的に、カフェインの効果が出始めるのはコーヒーを飲んでから1時間後くらいと言われます。
ですから、「仕事や勉強をする少し前」に飲んで集中力を上げるとか、「仮眠の少し前」に飲んで、短い時間の睡眠で頭をスッキリさせるなど、効果的な飲み方が考えられます。
また、カフェインだけでなくコーヒーの香りにも脳を刺激する作用があることも分かってきています。
6種のコーヒー(ブラジルサントス、グァテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイ・コナ)の香りを調べた調査では、、ブラジルサントス、マンデリン、ハワイ・コナの香りは、他の豆と比べて集中力を高めるという結果が出ています。
日中の覚醒レベルを高めて活動できることは、生活のリズムにとってとても大切です。
覚醒と睡眠は表裏一体のため、昼間の覚醒レベルを積極的に上げると、夜には自然に深い眠りが訪れます。
リラックス効果
ほっと一息つきたいコーヒータイムにリラックス感をもたらしてくれるのは、コーヒーのアロマです。
コーヒーの香りをかぐことで、右脳の情緒部分が刺激されリラックス状態の脳に現れるα波が増加することが確認されています。
前述の6種のコーヒー(ブラジルサントス、グァテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイ・コナ)の香りを調べた調査で、α波が最も多く出現したのは、グァテマラとブルーマウンテンだったそう。
コーヒーにリラックス効果を期待するなら、グァテマラかブルーマウンテン(お高いですが)を選ぶと良いようです。
ストレス解消効果
ストレスは、日々の小さなトラブルによって生まれます。
このストレスとうまく付き合っていくには、Rest(休憩)、Relaxation(癒し)、Recreation(活性化)の「3R」が必要と言われます。
この「3R」を満たして、ストレスから逃れるのに最もよいのは「一瞬ほかのことに夢中になる」ことです。
コーヒーには、香りそのものにリラックス効果があるうえ、飲むことが休息になり、飲むための準備自体も楽しみになることから、「3R」を満たした「一瞬夢中になる」習慣そのものと言えます。
アンチエイジング効果
コーヒーには、ポリフェノールの一種のクロロゲン酸という成分が豊富に含まれています。
ワインやココアにも含まれるこの成分は、抗酸化作用があることでよく知られていて、老化の原因となる活性酸素を抑制する働きが認められています。
実際に、1日に2杯以上のコーヒーを飲む人はシミの発生率が低下するという報告もあります。
また、しわやたるみなどの対策としても有効で、更に、毛穴を引き締めて目立たなくする効果も明らかになっています。
コーヒーは、抗酸化作用のある野菜などと比べ、抗酸化物質の吸収率が高く、作用の高さも認められています。
ダイエット効果
コーヒーにダイエット効果があると言われている理由も、やはりコーヒーに含まれているカフェインとクロロゲン酸の働きです。
カフェインは、脂肪の分解を促進する酵素であるリパーゼを活性化する作用があり、これによるダイエットへの効果に期待されています。
また、カフェインは、自律神経に働きかけて、エネルギー消費を高めてくれます。
体内の新陳代謝を3〜10%促進させる働きがあり、運動する20~30分前にコーヒーを飲むと、血中の脂肪酸濃度が上昇し、脂肪を燃焼しやすくなると言われています。
一方、クロロゲン酸は、脂肪燃焼のエネルギー変換を活性化する働きがあります。
脂質の消費を促進して体脂肪を低減させ、いわゆる「脂肪が燃えやすい体」を作ります。
加えて、クロロゲン酸には、食後血糖値の上昇を抑制するという働きがあることからも、ダイエット効果には期待が寄せられています。
体を鍛えるのに効果的
コーヒーを飲むことで、運動パフォーマンスを向上させる効果にも期待できます。
運動する20~30分前にコーヒーを飲むと、カフェインは血液中の脂肪酸数値を上昇させ、筋肉が脂肪酸を燃やしてエネルギーを作り出すことを助けます。
また、カフェインには体内において「アデノシン」がその受容体に結合するのを防止することで、神経が興奮することになり、脳からアドレナリンが放出されます。
このアドレナリンによって筋肉が興奮状態になり活性化されるとも言われています。
さらに、テストステロン濃度の増大が関係している可能性も指摘されています。
カフェインが、テストステロンの増加を促すことで、筋肉の合成を促進する効果が見込め、筋力アップの効率を高められるとして期待が寄せられています。
消化を促進する
食後の1杯のコーヒーには、消化を促進させる働きがあります。
カフェインが胃壁に適度な刺激を与えて、胃酸の分泌を促し、消化と栄養吸収を助けてくれます。
便通改善効果
朝コーヒーを飲むとお通じがある、という人は多いようです。
カフェインには胃腸の働きを活性化する作用があることが確認されていて、特に腸の動きをよくすることが明らかになっています。
また、コーヒーには、腸内環境改善に良いといわれるオリゴ糖が含まれていることも、便通の改善に影響しているのかもしれません。
二日酔いに効く
お酒を飲みすぎると二日酔いになってしまうことがありますが、コーヒーには、この二日酔いの苦しみを助けてくれる作用があります。
人が二日酔いになる原因はアセトアルデヒドという物質が原因ですが、カフェインが、これを体外に排出してくれるのです。
アセトアルデヒドによって拡張された血管をカフェインが収縮させて血液循環をスムーズにし、利尿作用により、これを体外に排出することを促してくれます。
冷え性や肩こりに効果がある
コーヒーには、血行を良くする効果もあります。
これは、コーヒーに含まれているカフェインとナイアシンに、血液の流れを良くする効果があるためと考えられています。
血行促進により、体内の代謝が良くなって、体の隅々まで血液が流れるようになると、冷え性や、血行不良から起こる肩こりなどの改善につながります。
むくみを解消する効果がある
コーヒーには顔などのむくみを解消する効果もあります。
これは、コーヒーに含まれているカリウムが、むくみの解消に役立つためです。
また、カフェインの利尿作用も、老廃物を排出して、むくみの解消につながります。
さまざまな病気の予防
コーヒーを飲むことで、さまざまな病気の予防に期待が寄せられています。
・内臓脂肪を予防する
クロロゲン酸には、中性脂肪が肝臓に蓄積するのを防ぎ、内臓脂肪の蓄積を予防する効果もあることが報告されています。
・脳梗塞や心筋梗塞の予防
カフェインの血管を広げる効果と血小板の機能を抑える効果によって、血栓ができにくくなり、 動脈硬化を予防できると言われています。
・糖尿病の予防
1日に3〜4杯のコーヒーを飲む人は25%も2型糖尿病にかかるリスクを軽減させることができるという実験結果があります。
・呼吸器疾患の予防
コーヒーに含まれるカフェインは、気管支を拡張する作用があり、呼吸器の機能を改善する効果があるとされています。
・肝硬変や脂肪肝の予防
アルコールを過剰摂取すると肝硬変などの病気になる可能性が高くなると言われていますが、コーヒーは肝細胞を守り、肝硬変や脂肪肝などの病気を防ぐと言われています。
一例では、1日に1杯のコーヒーを飲む人は肝硬変が発症する可能性を20%低下させるという実験結果が報告されています。
また、コーヒーの作用として、アルコール中毒になっている人の治療に効果があるという研究結果もあります。
これはアルコールを分解する肝臓をコーヒーが活性化させるためと考えられています。
・肝臓がんや子宮体がんの予防
脂肪は酸素と結びついて酸化します。
これによってできた物質が、DNAを刺激して、細胞の突然変異が起こり、老化やがんの原因になると言われています。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸の炎症と酸化を抑える働きから、コーヒーを飲む習慣がある人は、肝臓がん(ほぼ確実)・子宮体がん(可能性あり)の予防に期待できると言われています。
・うつ病の予防
コーヒーを1日に4杯飲んでいる人は飲まない人に比べてうつ病の発生率が1割近く低くなっているという報告があります。
これは、コーヒーが、幸せホルモンとして知られるセロトニンの分泌を促すためや、コーヒーに豊富に含まれている抗酸化物質が作用するため、などと考えられています。
コーヒーのデメリット

ここまで堂々数々のコーヒーのメリットを紹介しましたが、ここからは注意が必要なデメリットについても触れていきます。
カフェインの過剰摂取
デメリットはコーヒーを飲み過ぎることで起こります。
問題になるのは、コーヒーに含まれるカフェインの作用で、カフェインの過剰摂取によって次のようなトラブルが起こることがあります。
・不眠
・めまい
・下痢
・喉の渇きの増加
・心拍数の増加
・頭痛
・興奮
・不安
・震え
・吐き気
カフェインは、神経を落ち着かせる作用があるアデノシンという物質をブロックする働きがあり、神経を興奮させます。
これにより、日常生活のために必要なレベルの覚醒を引き出せていればいいのですが、行き過ぎると上記のようなトラブルとなってしまいます。
コーヒーを飲みすぎないために
摂取し過ぎると問題を起こすカフェインですが、日本には明確な摂取基準が制定されていません。
ただ、海外では摂取基準を設けている国もあります。
・オーストラリア&ニュージーランド
210mg/日
・カナダ
健康な成人|400mg/日(マグカップでコーヒー約3杯)
妊娠中や授乳中の女性|300mg/日(マグカップでコーヒー約2杯)
実際にどれくらいのカフェインを1日に摂取してもよいかについては、個人差があります。
一旦、よく言われている1日3杯〜4杯くらいまでを目安として、前述したようなトラブルを感じないかチェックしておくといいかもしれません。
デカフェコーヒー・カフェインレスコーヒーの利用
健康志向が高まる中、デカフェコーヒーやカフェインレスコーヒーと呼ばれるコーヒーも注目されています。
デカフェ、カフェインレスには若干でもカフェインが含まれている可能性があり、デカフェは「取り除いた」もの、カフェインレスはもともと「少ない」ものという違いがあります。カフェインレスはカフェインの含有率が0.1%以下に抑えられたものを指します。
コーヒーの副作用は、カフェインによるものですから、「飲みすぎかな?」と思ったら、こういったコーヒーを利用するのもひとつの方法です。
デカフェ、カフェインレスどちらにも、クロロゲン酸は含まれているので、抗酸化作用の恩恵は通常のコーヒーと変わりません。
おいしいコーヒーを飲むために

コーヒーには、淹れ方も数々ありますし、コンビニのコーヒーや、市販の缶やボトルのものを選んだり、お気に入りのカフェで飲んだりと選択肢は様々です。
やはり、自分の好みの味や、体調やライフスタイルに合った飲み方を選ぶことが大切です。
ただ、自分にあった豆の種類を選んで、自分好みの味の細かいコントロールをするとなると、ハンドドリップで淹れる方法がおすすめです。
おいしいハンドドリップの淹れ方
では、ここで、およそコーヒーカップ二杯分、マグカップで一杯分のハンドドリップの淹れ方を紹介します。
お気に入りのコーヒー豆200gを挽き、60gのお湯を5回に分けて計300g注いでいきます。
全てを3分半くらいで落とせると理想的な味に。
<300gのコーヒーのハンドドリップ>
➊中粗びきにした豆200gをペーパーフィルターをセットしたドリッパーへ
➋1投目:60gのお湯を豆全体にいきわたらせ40秒間蒸らす
❸2投目:更に60gお湯を注ぐ
❹3投目:2投目が落ちたら更に60gお湯を注ぐ
❺4投目:3投目が落ちたら更に60gお湯を注ぐ
❻5投目:4投目が落ちたら更に60gお湯を注ぐ
著者は、この方法で淹れるようにしてから、自分でいれるコーヒーが断然おいしくなりました。
このレシピのオリジナルは、WORLD BREWERS CUP 2016でアジア人初の世界チャンピオンになったバリスタ粕谷哲氏考案のメソッド「4:6レシピ」です。
彼の理論は次の通り。
ハンドドリップで落とすコーヒーでは、全体量の40%(上記300gの場合120g=1頭目+2投目)のお湯を注ぐ時に、酸味と甘味のバランスをコントロールすることができます。
例えば、上記手順の1投目を少なくする(例:1頭目50g+2投目70g)と甘さが強調され、多くする(例:1頭目70g+2投目50g)ときれいな酸味が味わえます。
また、残りの60%(上記300gの場合180g=3頭目+4頭目+5投目)では、コーヒーの濃度をコントロールすることができます。
180gを3回に分けた上記の淹れ方は濃い目の味わいです。
これを2回に分ければ軽目のコーヒーに、1回でドリップすれば更に軽い仕上がりになります。
ハンドドリップ用の道具
上記のようにコーヒーを淹れるときに必要な道具がいくつかありますが、ご参考まで、筆者愛用の道具を載せておきます。
・グラインダー
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・サーバー
・スケール
おしまいに

この記事では、コーヒーのさまざまなメリットについてまとめました。
コーヒーのメリットのポイントは「覚醒とアンチエイジング」の効果です。
体も脳も気分も、本来のポテンシャルを覚醒させつつ、老化も防いでくれるのがコーヒーです。
いつもの当たり前の習慣に実はありがたい効力があること、それを理解して利用することで、毎日の仕事や生活が、快適に捗るのではないでしょうか。



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